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絵と写真とゆるくてシンプルな日常

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』を読んで

広告制作会社でデザイナーをしていた汐街コナさんの、『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』という本を読んだ。精神科医のゆうきゆうさんが監修をされています。

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

タイトルが強烈だった。つらくてつらくて、辞めたいのに、でも辞められないって人たくさんいると思うし、自分もそういう時期があった。辞められない大きな理由って不安とか責任感からきているけれど、そのまま続けていると冗談抜きに死んでもおかしくない、ということと、辞める決心をつけるためのアドバイスなどが、実体験を通して漫画で表現されており、わかりやすく、背中を押してくれる内容だった。

仕事が原因で死んでしまう理由は、長時間労働による過労死だけではない。精神的苦痛に耐え切れず自ら死を選んでしまうパターンもある。汐街さんは当時、電車に飛び込もうとしてしまったことがあるらしい。「死ぬくらいなら辞めればいいじゃん」と言われそうだけど、あまりにも追い詰められると、正常な判断すらできなくなってしまうようだ。だから、正常な判断力があるうちに決められるように、後戻りできなくなる前に逃げられるように、他の選択肢があることを覚えていてほしい、という思いがすごく伝わる。シンプルな絵柄の漫画なのに、プロローグでわかる事態の重さが、フィクションストーリーの主人公を見ているようだった。それくらい、切実な思いで描いたのがわかる。それくらい大変なことが、現実で起こっているのだ。

自分の場合はというと、死のう、と実行しようとしたことはないんだけど、「この会社にあと数年いたら死ぬだろうな」と感じていたことがあった。過労よりも、精神的な面から。そんなことが浮かぶ時点でその会社にいるべきではないんですけどね、と今ならサラっと思えるけど。今でもその時期のことはあまり思い出したくないし、当時の上司に体格や雰囲気が少しでも似ている人を見かけると驚いてちょっと身構えてしまう。

当時は今よりもずっとずっと視野が狭くて、私が弱いだけだからダメなんだと思っていて、「ここはあかんわ、よし辞めよう」という選択肢が浮かばなかった。普通に考えて、女性が数ヶ月でポンポン辞めていくような職場で「弱い私がダメなんだ、頑張らないと、耐えないと」なんて思ってた自分も異常だと思うけど。視野が狭いとこういうことに蝕まれていることすら気づけなくて、怖いなぁと思う。結局、辞められたのは運良く辞めやすいタイミングが訪れたからで、それがなければちゃんと辞める判断ができたかはわからない。でも今なら、そういう状況になってしまったら辞めるっていう判断はできる。それは経験や人付き合いからの学びもあるし、この本を読んで更にそれが強くなった、というのもある。

だから、仕事で追い詰められて悩んでいる人や、タイトルでなんだか気になるって人は、読んでみるといいんじゃないかな、と思う。

ただ、別の道(大半の人は転職を選ぶと思う)を選んでも、同じことを繰り返してしまう可能性はある。それは避けたいので、日ごろから仕事や人間関係などでどういう考え方や世界があるのか、同じ目に遭わないように自分自身で変えられる心がけ(つらいあなたが悪いといいたいのではなく、悪い目に遭いやすい思考の癖など)はないか、など、悩みに合わせた情報収集はやったほうがいいと思う。私は仕事以前に学校とかの集団生活の時点から悩んでいることがあって、ここ数年でそれ関係の記事や本を読むようになったんだけど、実際にいろいろ自分の言動を見直していって、10年前なんかに比べたらだいぶ過ごしやすくなった。何かが良くなる・良くなった心がけについては引き続きブログでも書いていきたいし、本についてもまたちょこちょこ紹介していけたら、と思う。


著者の汐街さんは現在イラストのお仕事をされているようで、それについては本の内容では見えないのだけど、イラストをネットで見て、あんなに綺麗な絵が描けて、グラフィックデザイナーでかなりの長時間労働をしていたとか、どういうふうに習得してきたのだろうという感想もある…すごすぎる…